当店使用のお米に関するお話
最近、「ここの店のシャリのファンなんだよ」と言ってくれるお客様が増えました。
赤酢は、もちろん美味しいのですが、数年前にお米を変えたのです。
開店からずっと新潟のお米を使ってきましたが、
ある年不作の時があり、ボソッとお客様にこぼしました。
そうしたら、「佐藤さん 俺 作るよ」と言ってくれた方がいました。
栃木県大田原市から車で1〜2ヶ月おきに来店されるMさん。
作るって..えっ??
兼業農家の彼は、一念発起!
その後本当にトラクターを購入し、
本格的に作ってくださり、精米して送ってくださいます。
彼の味覚というのは、とても優れていて
自然の中のもの、真心のこもったものに対するセンサーが素晴らしいのです。
美味しいという味覚の中に、
生産者や関わる人の気概やまごころを感じ取ってくれる貴重なお客さまです。
その彼が作る米が、こころがこもってないはずがないのです。
お米が炊き上ががり、お客様へのお口に渡るまで
送ってくれたそのお米を丁寧に擦り合わせ割らないように洗い、
これまたナノイオンの水(これも他のお客さまからのオススメ)と
マル秘天然鉱物を入れ炊き上げます。
するとキレのいいピカピカのお米が炊き上がり、赤酢をスッと吸います。
そのシャリを程よく空気を含ませ、鮨種ごとに絶妙に主人が握ります。
口の中でハラッとほどけ、魚やワサビと渾然一体となります。
主人は昔から、”口の中に入れた時に爆発的に美味い鮨を握りたい”と言っていました。
赤酢は砂糖が入っていないので、粘着力がなく握りにくいです。
それを鮨種ごと、目の前のお客さんの微妙な好みに合わせて
全て毎回違う鮨を握っています。
簡単そうに見えるのですが、私はこれは主人の天才性だと思っています。
赤酢とMさんのお米と主人の握り
自然相手の食べ物ですので、毎回爆発的に美味いとは保証できませんが
今後も毎日食材と向き合って行きたいと思います。
女将/ 佐藤美由紀