~前回の続き~
東京湾の魚はなぜ美味しいのでしょうか?
当店で使う穴子は、東京湾の神奈川小柴のものがあれば、
仲買さんに声をかけてもらい必ず仕入れます。
それだけ随時採れるものではないし、なんと言っても美味しいのです。
旨みとコクがあり、身質は柔らかく、繊細な美味しさがあります。
なぜ、江戸前の魚は美味しいのでしょうか?
東京湾の地形は実に変化に富んでいるということが大きな要因です。
内湾で水深15m、
外湾の観音崎沖で50m、
その先の湾口は一気に深くなり、水深600mの東京海底谷が横たわります。
沖には黒潮が流れているため世界最大級の巨大魚ジンベイザメもやってくるそうです。
世界屈指の大都会の真ん前に広がる海は、途轍もない多様性を持った自然豊かな海なのです。
東京湾に面する600もの河川から栄養素が流れ込み、
穏やかな湾内では、魚の産卵や稚魚の生育場にとても恵まれた環境なのです。
そしてそのプランクトンや小魚を捕食する色々な魚が生息しているのです。
世界に類のない海なのです。
昔、「東京湾を全部埋め立てて仕舞えばいいのに」
と言った知人がいましたが、とんでもない話です。
ここまでお読みくださりありがとうございました。
次回は、ご要望の多い鮨店でのマナーについてです。
次回もお楽しみに!
女将 / 佐藤美由紀
【出典】
https://natsuman.exblog.jp/20792258/